コロナが5類に移行され、旅に出かけたり、お友達とお食事をしたり3年間の喪が明けたようなそんな雰囲気が漂っていますね!
【楽しい!】と感じることは、とっても大事なことでパワーをくれます。
そして、いつもの場所から違うところへ行くという行為だけでもワクワクしますよね。
昨年、私の母は90歳、卒寿を迎えました。この年齢になるともう「モノ」への欲というのはなくなってくるので、欲しいものはと聞いても「いらない…」といわれてしまいます。なので昨年、家族総出で旅を企画していたのですが、コロナで断念。。。
今年は、晴れて1年遅れの卒寿をお祝いをしようと思い、群馬県伊香保温泉へ旅をしてきました。
そこで起きた小さな奇跡をお話ししたいと思います!

みんなが楽しめる場所選び
あまり歩くことが出来ない母91歳、姉夫婦は60代後半、そして日本在住歴が長いにもかかわらずスペインライフスタイルを貫き通す私の夫と小学校6年生の息子。
このバラバラな体力と趣向のメンバーがそれぞれ楽しめる旅。それを実現する場所を選定するのがこの記念旅行の肝だと考えた私は、3つの必須条件を考えました。
1. 移動に負担がかからない母の思い出の場所 → 車で2時間以内
2. 宿の中で車いすや歩行補助カートが使え、母を温泉に入れやすい環境
3. 宿のすぐ近くに遊ぶ場所や見る場所がある
母中心に考えすぎると、母が面倒を見てもらって申し訳ないという気持ちが強くなってしまうので、私たちも子供も楽しめることが大事だと考え、温泉があって子供と大人が一緒に遊べる場所を色々と調べて、伊香保温泉の石段街にある千明仁泉亭さんを選びました。
旅館の中は、車いすやカートで移動できるように段差はなく、ふんだんな温泉のお湯が24時間出ているヒノキ風呂がついているお部屋があるのもここを選んだポイントでした。
宿からは石階段の町や温泉神社まで散策もでき、懐かしの射的や昭和遊びができる場所も宿のすぐ近くにあります。
母は普段あまり動いていない生活をしているので、移動の後はいつも少しお部屋で休んでいたいというのですが、そのために家族全員がどこにも行けないという状況になるとかえって「申し訳ない」と思ってしまい、落ち着かないといつも言います。そのため、お部屋に母を残して近場で子供が遊ばせることが出来たり、散策ができる環境であることはとても大事だなと思い伊香保という場所を選びました。
そして伊香保という場所は、私が運転免許を取得したときに、母と亡き父と一緒に初めて遠出をした場所です。定年を迎えて、いざ一緒に色んな所へ旅に行こうと思っていた矢先に夫を亡くした母にとって、父と行った思い出の場所を訪ねるのは、楽しい思い出がよみがえってくるそうです。
そんな3つの条件がそろった旅で、小さな奇跡が起こりました!
旅の効果 やる気・元気・笑顔
『病は気から』ということわざもあるように、気持ちの持ちようで起こる小さな奇跡ってあるんです。
ここ最近、食事をする量がめっきり減って、食べることに興味を失っていた母でしたが、みんなが集まって食事をしたこと、環境を変えて見た目も美しい非日常の食事が出てきたことで、『食べたい!』という気持ちが起こりました。
そして、いつも椅子に座っている時間が長い母が、2時間の移動や旅館内を歩くということをやったにも関わらず、夕食の後いつもなら疲れて寝てしまうことが多いのに、「せっかく来たのだからお風呂入る」という言葉が出ました。
この「せっかく来たのだから」っていう気持ちが起きたことに👏!!!
そして、さらに翌朝
姉と二人で母が寝ているうちにせっかくだから大浴場に行こうと支度をしていた時です。
母が目を覚まし、「私も行く」と言い出しました。
私たちは、「寝ぼけてるんじゃない」と思ったほどびっくりしましたが、そそくさと支度をし、一緒に朝の大浴場へ!
ここ最近の母をみていたら、これはもう本当に驚きの行動でした。
そのあと、朝食を食べ、私たちは石段の上にある神社まで行っている間、母はお部屋で小休止。「朝温泉の後でもう動けないのでは?」という私たちの心配は、嬉しい誤算!
チェックアウト後、なんと孫と一緒に歩行カートを押して5段ほどある石の階段を孫の手につかまって結構な速度で昇り、石段街にある射的場へ歩いて行ったのです!
毎年父と初詣に成田山に行っていた際に、子供のころの私、母、父と一緒に必ず立ち寄った射的の屋台がありました。射的で遊ぶというのは、母にとってとっても楽しい思い出なのです。ここ数年は、もう人がたくさんいる初詣には怖くて出かけたくないと言ってやめてしまっていた母ですが、孫から射的場があると聞いて、「行きたい」という気持ちが、身体を動かしたんだと思います。
旅の最後には、水沢観音という場所に立ち寄りました。このお寺も母は父と訪れたことがあるそうです。
天台宗の寺で、ご本尊は十一面千手観世音菩薩です。願いがかなうと言う六角堂があり、取っ手をもって1周すると一切経を全て詠んだことになるのだとか…
ここでもミラクルが!
六角堂の前に来た時、母は車いすから降りて『六角堂をまわす!』と言い出しました。
私は、心配で横について歩きましたが、他の人と同じスピードでなんと6周も歩くことができたのです!
私たち一家にとっては兎に角うれしい「ミラクル!」がたくさん起きた2日間でした。
非日常の旅がもたらすスゴイこと
今回の旅で私が感じたのは、母も介護している私たちも非日常の旅が持つパワーのすごさでした。
忙しいと、中々休みが取れないとか、やることがあるとか、色々ありますが、思い切って企画して本当によかったと感じています。
2日間できなかった仕事は、戻ってきてからかなりスッキリとした頭で、片付けることができていますし、母も自分で何かをしようという気持ちが少しアップし、看る側の私たちもルーティン化して、面倒になっていたこと、辛いなと思っていたことがリセットされました。
私は15年、様々な形の旅にかかわる仕事をしてきたわけですが、旅には「誰と」「どんな非日常へ」行くのか、そしてそこでどんな出会いがあるのかという「ワクワク」が、人にパワーを与えるなと感じています。
何かがあると旅に出たくなったりしますよね?
場所を変えること、普段とは違うものを観たり違う人と出会ったりすることは自分を見つめなおす機会を与えてくれるものだと私は思っています。
「思い切って出かけてみてよかった!」
「悩んでたことがちっぽけに思えた!」
「新しい出会いで、元気をもらえた!」など
そんな言葉をもらうたびに、旅の力を感じてきました。
その時に、その場所に行くから出会える人とモノがある。一期一会は、まさに旅の醍醐味。
そう思いませんか?
あなたは最近旅に出ましたか?
2023年も半分が過ぎた7月に、たまった疲れやストレス一気に流してみませんか?
場所と仕掛けは、他では味わえないものをご用意しています。
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